家族会について

褥瘡患者及びその家族等が、褥瘡の管理(予防、治療)に関する正しい知識を持ち、早期回復を図ると共に、社会から褥瘡患者を減らしていくため、会員が相互にその環境を築き合うことを目的とする会です。

正会員 現在褥瘡に罹患している患者、またはその家族、あるいは過去に同様の経験を持つ方、医療従事者、介護職の方
 賛助会員  会の趣旨に賛同し、ご協力いただける個人、企業及び団体
会費 当面の間、正会員は無料  賛助会員、一口・20,000円

 

褥瘡患者と家族の会、発足のごあいさつ

 このたび日本在宅褥瘡創傷ケア推進協会のご後援をいただき、「褥瘡患者と家族の会」が正式に発足いたしました。私は会長を拝命いたしました大住章二と申します。

発起人を代表し、当会発足のご挨拶をさせていただきます。

 日本褥瘡学会並びに日本在宅褥瘡創傷ケア推進協会の発足以降、その関係者の皆様のひとかたならぬご尽力により、近年、褥瘡患者の数は大きく減少してまいりました。
ところが、その一方で、患者を取り巻く社会環境を考えると、今後はかなり厳しい状況が続くと言わざるを得ません。
なぜなら行政主導による在宅療養化に向けた動きが強まる中、それを支える国民の褥瘡に関する認知度はまだまだ低く、それはつまり、多くの家族が褥瘡の予防知識もないまま在宅介護を始めるということであり、そのこと自体大きなリスク要因となるからです。

 また、それに加え怖いのは、「褥瘡は絶対につくらない」という意識も、またケアに関する正しい知識もない、そんな職員が多数存在する施設への入院、入所であります。
このような施設では、そこに入院、入所すること自体すでにリスクがあると考えるべきでしょう。

もしも、そのような病院、施設で褥瘡を発症してしまった場合、病気の回復と安らぎを信じ、入院、入所の決断をした患者にとって、これは大変な不幸と言えます。

 すでに亡くなりなしたが、実は私の母もそんな患者の一人でした。もう10年以上も前の話になりますが、足のむくみの原因を調べるため、検査入院をした時の話です。
入院当初、自分の足で歩いていたはずの母が、それから一か月もすると自力で歩けなくなり、二か月後には、ついに寝たきりの状態になってしまったのです。

しかもそのとき、主治医から告げられたのは褥瘡悪化による余命宣告でした。
まさか、という気持ちと同時に、「母の命を救う道は本当にないのか」という思いから、私は褥瘡のことを一から勉強し、その後、まさに救世主と言うべき専門医との出会いによって、ようやく一命を取り留めることができたのです。あのときの苦しみ、そして感謝の気持ちは10年を過ぎた今でも決して忘れることはできません。

ただ、ここにきて思うのは、「私たち家族以外にも、まだまだ多くの患者が存在し、どこかで同じような苦しみが続いている、それなのに自分は何もしなくていいのか」という自分自身へのいら立ちと反省であります。

あのような苦しみは、もう誰にもあじわってほしくありません。

そんな私の経験が、褥瘡に苦しむ患者の早期回復と、そのご家族の安らかな生活を取り戻すための一助となるなら、そう思い、今日まで進めてまいりました。
もちろん、他の発起人、スタッフの方々も皆、私と同じような思い、経験を持つ方々であります。

 なお、当会は日本在宅褥瘡創傷ケア推進協会のご支援ご協力のもと運営いたしております。

皆様からのご質問をお受けするサイトでは、原則、医学的回答は専門医である顧問医師による回答としますので、どうか安心してご質問をお寄せください。
  スタッフ一同、皆様のご加入をお待ちしております。

平成27年6月吉日   褥瘡患者と家族の会、会長  大住章二